動物から?!天然香料〜番外編(3)
動物から?!天然香料〜番外編(2) では、残酷なお話がありましたが、
今回もまた、残酷で過激です・・・こういうお話が苦手な方はこれ以上は読まないほうが良いかも。
動物香料って、こんな残酷な採り方だったんだと思っていただければ、
合成香料がデメリットばかりではないこともわかってもらえるかなと思います。
では、動物香料、アンバーグリスとムスクに続いて
シベットとカストリウムをご紹介。
シベット=霊猫香(れいびょうこう)
シベットはジャコウネコから採りました。
(猫好きさん、残酷すぎてごめんなさい・・・写真は載せません)
ジャコウネコは、アフリカや東南アジアの森の中に住む動物です。
(私が画像を見たところ、たぬきとフェレットに似てます)
シベットコーヒー
もしかしたらコーヒー好きの方は聞いたことがあるかもしれません。
「シベットコーヒー」だとか「コピ・ルアク」と呼ばれる珈琲の豆、
実はジャコウネコの糞から採れるんです。
ジャコウネコがコーヒー豆を食べて、未消化のまま出てくるのですが
その過程でジャコウネコの体内で酵素が働き
なんとも言えない香りが出るのだとか。
(とても貴重で、1杯7000円するとか?!)
シベットの香りは、そんなジャコウネコの陰部にある香腺嚢からの分泌物。
麝香鹿(ジャコウジカ)の場合は雄のみでしたが、ジャコウネコの場合は
雄雌どちらからも採れるそうです。
ジャコウジカのように、殺して採ったり、殺さずにこすり取ったりするそうです。。。
それは※今でも行われています。
※霊猫香は継続的な生産が可能であるため絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(ワシントン条約)などによる取引の規制はされていない
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』https://ja.wikipedia.org/wiki/霊猫香
しかし、これは動物虐待的と非難を受けています。
シャネルNo.5
シベットの香りは、かも有名な ”シャネルNo.5″ に使われているのですが、
シャネル社は1998年に合成香料に切り替えたと主張しているそうです。
ラスト、
カストリウム=海狸香(かいりこう)
こちらは、ビーバーさん。
雄雌ともに肛門の近くにある香嚢の分泌物から採りました。
海狸香の使用の歴史は、麝香、霊猫香、龍涎香といった他の動物性香料に比べるとずっと新しい。 19世紀まではビーバーを毛皮を獲るために捕獲する際に、捕獲罠に塗る誘引剤として使用されていた。 その後、香水用素材としての有用性が認められ、商業取引されるようになった。 レザーノートと呼ばれる皮革様の香りを出すために香水に主に使用されていた。 ビーバーが乱獲により著しく生息数が減少したため、一時期絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(ワシントン条約)により取引が禁止された。 そのため合成香料による代替が進められ、高価であることもあって使用量は少なくなっている。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』https://ja.wikipedia.org/wiki/海狸香
まとめ
アンバーグリス以外は、痛々しい摂り方でしたね。
採取する箇所も・・・
つまり現物はものすごい臭ーいはずです。
それが不思議と、微量になった時にいい香りになり香水に使われるんです。
動物性香料はたしかに、植物には出せない野性的な、フェロモンというか
独特な匂いがすると思います。
でも現代は、もう毛皮も使われなくなっていますし
合成香料の完成度もかなり高くなっているわけですから、
いまだに残酷なことが続いているのなら、廃止されてほしいですよね。
アンバーグリス(竜涎香)(くじらの結石)だけは、偶然見つける分にはいいのかもしれませんけどね。
参考文献: 香料商が語る東西香り秘話
(”におい展“で買ったこの本も面白いです。香水や香料に関して興味がある方はおすすめ)
アンバーグリスについて↓
ムスクについて↓