精油の安全性と注意点
精油の安全性について
精油は100%天然のものですが、だからといって100%安全ではありません。
医化学の祖と言われた パラケルスス(1493-1541) は
「全てのものは毒であり、毒でないものなど存在しない。
その服用量こそが 毒であるか、そうでないかを決めるのだ」
と述べていますが、全くそのとおりだなあと思います。
以下、精油の毒性や刺激について簡単に記述しますが、以前のブログの
精油の取り扱い方法 の使用方法と注意を守っていれば大丈夫ですので安心してください。※特に注意が必要な方(妊婦など)は、今回のブログで記載していますので引き続きお読みください。
経口毒性
精油を飲用した場合、消化器(内蔵・粘膜)を損傷したり、処理される際に負担をかけ、気づかぬうちに肝臓や腎臓をいためます。
飲んだ場合は、100%吸収されるので毒性も高くなります。
経皮毒性・皮膚刺激
原液や高濃度の精油を皮膚に塗ることによって吸収された場合でも経口毒性と同じ作用を起こすことがあります。
また、精油成分の中には皮膚や粘膜を刺激するものがあり、赤くなったりかぶれることなどもあります。
皮膚感作・光毒性
アレルギー反応や、光の刺激により赤くなったりかぶれたりなどすることがあります。
神経毒性
神経に対する毒性を持つ精油もあります。濃度や使用量に注意が必要です。
特に注意が必要な人
○妊婦さん・授乳中
妊娠中は心身ともにデリケートな時期です。普段の使用方法でも異常が出る場合がございます。基本的には、精油の積極的な使用はおすすめしません。
芳香浴なら他の使用方法より安全ですが、嗅ぎ過ぎたりせず、気分が悪くなったらすぐに辞めましょう。
授乳中の方がアロマトリートメントなどで皮膚に精油を塗布する場合は、
選ぶ精油や濃度に気をつける必要があります。精油は皮膚から血管を通り血液で循環するので、トリートメント後の授乳などは、母乳に影響する可能性もございます。
また、基本的に授乳中の赤ちゃんはお母さんの匂いを覚える時期でもありますので、そのあたりも考慮しましょう。
○病気や既往歴のある方、薬を処方されている方
専門医に精油の利用を相談しましょう。
例)高血圧の方やてんかんの方は使用を避けたほうが良い精油があります
○子供や乳幼児、ペット
3歳未満は、芳香浴以外は行わないようにしましょう。
3歳以上でも、精油の皮膚への使用量は、大人の10 分の1程度の濃度から始め、多くても大人の半分の濃度としましょう。
子供は嗅覚が敏感ですし、体も小さいです。免疫システムも確立していないため、注意が必要です。
同様にペットも、人間とは代謝の特徴が異なったり大きさの違いもございますので使用量など注意が必要です。
特に猫は、精油成分の代謝がうまく行えないということと、グルーミングを行う習性があるため精油の仕様は避けたほうが良いとされています。
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございます。
精油の使用方法、なんだか難しいな…とか怖いな…と想った方もいるかも知れません。
私があえて危険性などを記載したのは、現代日本では、知識が何もなくても精油が簡単に購入できるからです。
また、現在の日本のアロマテラピー業界はカオス状態となっており、危険性を伝えずに精油の飲用や原液塗布を安易に勧めている方も増加傾向にあります。
精油の安全性は、保管方法・使用方法だけでなく使用する相手によっても変わってきます。
例えば、
Aさんは毎日原液で使っているから大丈夫!(それも大問題ですが)と言ってBさんに原液使用を勧めたとします、
しかし、Bさんは実は、持病があったりアレルギーがあったり、皮膚が弱っている状態かもしれません。そういう方が同じように使ったらどうなるでしょう?・・・
危険性を理解していれば、ちょっとまてよ?それって本当に大丈夫なの?と一歩下がって考えて、選択することができるはずです。
特に今は、免疫力や健康法に興味がある方が増えています。
日本人はよく陥りがちなのですが、、
みんながいいと言っているからといって、自分に合う健康法とは限りません。
そこの見極めも大事です。
知識があれば防げる事故もあるので、今回はこのようなブログを書かせていただきました。
もっと詳しく知りたい方は、こちらが最新版でとても詳しく乗っている本です。精油を使用する際のガイドブックとして活用できるかと思います。(プロ向けです)
安全に、アロマテラピーを楽しんでいただければと思います。
<これを気にアロマテラピーを学ぼう>
過去の投稿は以下からチェックしてください!
2.精油とは(1)
3.精油とは(2)
4.精油とは(3)
6.精油の品質