精油とは(3)

錬金術と精油

アロマテラピーという言葉ができて、確立されたのは80年くらい前でしたが、本当のはじまりはもっともっと大昔。

数千年前から、フレッシュなハーブの香りを瓶に入れて捕まえておくにはどうしたらいいのか?と長い間試行錯誤されていました。

その中で画期的だったものが、水蒸気蒸留法です。

この方法で、クレオパトラも香料を作らせていたとか

しかしなかなか安定した技法が確立せず、精油の蒸留法が確立されたのは

10〜11世紀

イブン・シーナ(980−1037年頃)ペルシャ(イラン)出身の科学者

※科学者でひとまとめにするには失礼なくらい、あらゆる分野に精通した方で、イスラム世界最高の知識人と呼ばれる大天才。

によって、錬金術の研究中に水蒸気蒸留で植物から精油を取り出す方法が確立されました。

精油の製造方法のいろいろ

“蘭引”(ランビキ)=蒸留釜  神戸布引ハーブ園にて  

○水蒸気蒸留法(Steam-distillation)

簡単に言うと、植物を水蒸気で蒸して芳香成分を蒸発させてそれを冷却することで精油芳香蒸留水(フローラルウォーター)を採ることができます。

現在でもよく使われている精油の最も一般的な製造法です。

写真の蒸留釜は、ランビキというもので日本では江戸時代にオランダから輸入されました。

○圧搾法

柑橘系は、果皮を文字通り圧搾(圧をかけて絞り出す)して抽出する圧搾法で精油を採取します。

○油脂吸着法(アンフルラージュとマセレーション)

香りの街 フランスのグラースなどで昔よく行われていた方法。

※現在ではほとんど行われていません。

・アンフルラージュ(冷浸)法

ガラス板に動物油脂(ラードなど)を塗りつけて、そこに植物を並べて

香りの成分を吸着させる方法。1〜2日毎に花びらを取り替える作業を繰り返すとポマードという塊ができ、それをエタノールに混ぜて香りをうつしてエタノールを蒸発させると精油が残る。

・マセレーション(温浸)法

60〜70度に熱した動物油脂に植物を浸し、何度も原料を取り替えながら香りを吸着させる。その後はアンフルラージュと同様の方法。

○溶剤抽出法

(※油脂吸着法は手間もコストも掛かるので、こちらの溶剤抽出法に切り替わっています。)

石油溶剤(石油エーテルや、ヘキサン)を植物に入れておくと、

コンクリートという塊ができる。溶剤を除去して、エタノールを加えて冷却して精油を得る。

溶剤抽出法で採れた精油を アブソリュート(Abs.)といいます。

○超臨界流体抽出法(Supercritical Fluid Extraction, SFE)

1970年代に開発された抽出法。二酸化炭素などに芳香成分を溶かす方法。

二酸化炭素のように、常温で気体でも圧力をかけると液体になるものを使って、液体と気体の間くらいの超臨界状態にし、そこに植物を加えると芳香成分が吸着し溶け出します。

超臨界流体抽出法で得られた精油は、 エキストラクトといいます。

他の方法では採れない殆どの成分を抽出できるため、植物そのもののとてもいい香りがしますが、装置が高価なため、あまりこの方法で製造されていません。

ちなみに、この方法は

カフェインレスのコーヒーを作ったり、医薬品の有効成分の抽出などに使われている方法です。

いかがでしたでしょうか?抽出法、少しややこしいかもしれませんね。

特に検定受けるわけではない人は、へ〜くらいで全然良いと思います。

次はもっと実践的な、品質について。精油の選び方などを紹介していきます。

<これを気にアロマテラピーを学ぼう> 

過去の投稿は以下からチェックしてください!

1.アロマテラピーとは

2.精油とは(1)

3.精油とは(2)

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2020年4月19日 5:19 PM  カテゴリー: blog, Study

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